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大阪中之島美術館の「フェルメール 真珠の耳飾りの少女展」は9月27日まで開催。文春オンラインは作品の限られた色使い、簡潔な構成、光を表す筆致を解説した。
大阪中之島美術館の「フェルメール 真珠の耳飾りの少女展」は9月27日まで開催される。文春オンラインは、17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメールによる作品について、限られた色と簡潔な構成、光を表す筆遣いから特徴を解説した。
「真珠の耳飾りの少女」は1665年頃の油彩・カンヴァス作品で、マウリッツハイス美術館が所蔵する。特定の人物の肖像というより、表情や衣装を研究する人物画「トローニー」の一種と考えられている。少女のターバンは当時のオランダで通常着用するものではなく、何らかの役柄に扮していると推測されるためだ。
記事の解説では、表現を絞り込む手法が作品の印象を形づくっているとされる。使われた絵具は10種類で、色数を抑えることによって顔の表情とターバンの青が際立つ。青には高価なウルトラマリンを使い、その補色となる黄色を組み合わせている。
明るい顔と暗い背景の対比も構成上の特徴となる。輪郭や陰影の描き分けを簡潔にすることで、視線を少女へ集める。現在は黒く見える背景には、もともと緑色のカーテンがあったが、有機顔料の変色によって見えなくなっているという。
細部まで写実的に見える一方、近くで見ると筆の動きは比較的大きく、塗り跡が残る。記事は、焦点を少しぼかした写真に似た光の表現が輪郭を和らげ、少女の表情、真珠の光沢、青いターバンを引き立てていると説明する。
顔が背景に接する部分には淡く透けるような筆致を重ね、輪郭をぼかしている。ターバンと上着には点状の光を置くなど、フェルメールに特徴的な処理が見られる。
記事は、色彩や背景の描写を増やしたり、筆跡を消して輪郭を硬く仕上げたりする場合とは異なる効果が生まれていると論じた。抑制した表現と細部の筆の操作が、少女が振り返る一瞬の印象を支えているという解説となっている。
記事が挙げる要素は、色数、画面の構成、仕上げの3点に分かれる。少ない色を使うことと、画面上で青と黄色を対比させることが一緒に働き、簡潔な陰影と暗い背景は明るい顔の存在を強める。そして輪郭をすべて同じ硬さで囲わない筆遣いが、表情に柔らかさを与えるとされる。
この解説は、作品の魅力を描き込みの多さだけで説明するものではない。形や色を整理しながら、顔の周辺の薄い筆致や衣服の光の点を残すという、異なる細部の扱いに注目している。
Y.Watanabe--JT