RYCEF
0.1000
元劇団四季の荒川久美江さんは、病気とうつを経て55歳で婚活を始め、半年で17人目の見合い相手と成婚した経験を語った。
2020年の生涯未婚率は男性約28%、女性約18%と過去最高となる一方、40代以降で結婚相手を探す人もいる。元劇団四季の俳優で、その後も俳優、歌手として活動した荒川久美江さん(60代)は、50代半ばで婚活を始め、結婚に至った経緯を語った。
荒川さんは36歳で劇団四季を退団して結婚し、北海道へ移住。44歳で離婚して東京へ戻り、その後約10年は女優、講演、音楽スクールなど仕事に集中した。結婚生活での経験から一人で生きるつもりだったが、55歳で喉を痛め、半年間声が出なくなった。
声が戻り始めるとストレスによる突発性難聴を発症。耳鳴りや音の反響が強く外出もできず、仕事と生活が立ち行かなくなった。うつ病と診断され、一人で死ぬことまで考えた末、兄へ連絡した。兄家族との一時的な同居で、10年ぶりに家族と食卓を囲み、温かい食事と穏やかな時間を経験したことが、もう一度結婚したいと考える契機になった。
有名な結婚相談所へ登録し、相手の希望は年齢が3歳下から6歳上、年収700万円以上とした。ただ最も重視したのは、一緒に笑いながら食事を楽しめ、本音で話して自然体でいられることだった。入会金約36万円、月会費3万円、成婚退会費60万円など、半年で約120万円を使った。
見合いでは初回から私生活を深く問い過ぎず、楽しく会話することを心がけた。過去の相手や会社への不満を話し続ける人もいたが、17人目で現在の夫と出会った。旅行、カメラ、富士山という共通の趣味で意気投合し、毎週末デートを重ねて3カ月後に成婚退会、約9カ月後に結婚した。
夫は初婚で荒川さんの兄と同年齢だった。結婚後は口論もなく、希望していた穏やかな食卓を共にしているという。精神状態が安定し、病気も治って歌の仕事に復帰した。荒川さんは、年齢を重ねて結婚を望むなら、自ら行動することが重要だとの考えを述べた。
兄家族の家で義姉が作った食事を口にし、仕事だけで一人で生きると言いながら、実際は周囲に支えられてきたと気付いた。家族の温かさと穏やかな時間を大切にし、生活を立て直したいと考えた。
50代に入ってから感じていた疲労や寂しさを、意地で認めなかったと振り返る。出会いが自然に訪れる可能性は低いと判断し、体調が厳しい中でも相談所へ登録して動いた。
若い頃は成功し自信のある男性に惹かれたが、再婚では、肩書より食事を楽しめ、本音を話し、自然体でいられる相手を望んだ。
活動は金銭だけでなく体力も必要だったが、初回の見合いでは相手の年収や家庭事情を深く尋ねず、まず互いに気持ち良く話せるかを確かめた。
婚活歴が7、8年に及ぶ男性が過去に会った女性や勤務先への不満を話し続ける例もあり、荒川さんは相手への思いやりと、会う時間を明るく過ごす姿勢の重要さを感じた。
17人目の男性との初回見合いはホテルのラウンジで約1時間行われた。旅行、写真、富士山という共通点で会話が進み、毎週末に会って3カ月で成婚退会、約9カ月後に結婚した。
夫は長く独身だったことが不思議に思えるほど紳士的で優しい人物だったという。結婚後は大きな口論もなく、精神状態が安定し、声や聴力の病気も治って歌の仕事に復帰した。
荒川さんは、一人で暮らす選択や結婚以外の関係も尊重しつつ、誰かにそばにいてほしいと望むなら、自分から行動する必要があるとの考えを示した。
M.Ito--JT