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国分寺市にある「国分寺市プレイステーション」は、子どもたちが自由に遊べる場所として認定NPO法人「冒険遊び場の会」が管理している常設の冒険遊び場です。
国分寺市にある「国分寺市プレイステーション」は、子どもたちが自由に遊べる場所として認定NPO法人「冒険遊び場の会」が管理している常設の冒険遊び場です。この場所は、1日で100人以上が訪れる人気スポットであり、子どもたちが遊ぶための空間が確保されています。この場所では、ボール遊び禁止、火遊び禁止、大声を出さないなどの看板が立てられ、子どもたちの安全を守るためのルールが設けられています。
国分寺市では、子どもたちが遊ぶ場所が少なく、自由に遊べる公園が少ないという調査結果があります。2024年の調査によると、6割以上の小学生の母親が「自由に遊べる公園が少ない」と答えたというデータがあります。また、2023年の調査では、小学生の約7割が「放課後に友達と遊ぶのが週1回以下」と答え、さらにその数が「もっと友達と遊びたい」とも答えています。このように、遊ぶための時間や仲間、空間が不足していることが原因となっています。
このように、子どもたちが遊ぶ場所が減少している現状は、社会の責任として、子どもが自由に遊べる場所を確保し、守るという意図で1980年頃から日本でもつくられるようになったのが冒険遊び場です。デンマーク発祥で、イギリスで発展し、世界各地に広まった概念です。日本ではプレーパークの名称で親しまれています。
国分寺市プレイステーションは、子どもたちが遊ぶための空間を提供し、学びや成長の機会を提供する場所として機能しています。この場所は、子どもたちが世界を感じ、遊び、恐れおののき、それぞれにとっての学びを得ていく機会や環境を守るための重要な存在です。
3連休の中日で、保護者に付き添われた幼児から小学校の高学年くらいまで、1日で100人以上の来場者があったと伝えられています。入口の看板には「ケガやけんかも大切な学び」や「すぐに『危ない』『だめ』と言わずに、まずは子どもを信じて、温かく見守ってください」などのメッセージが掲げられています。ケガやケンカまで想定内という、冒険遊び場ならではのメッセージです。線路沿いということもあり、大きな焚き火はできませんが、七輪の中での焚き火はOKです。子どもたちは好きなときに自分で火起こしして、べっこう飴をつくったり、もってきたウィンナーを焼いたりしていました。駄菓子屋には餅やマシュマロも売っているので、それを買って焼くこともできます。木工場には工具や廃材が置かれていて、子どもたちは自由にそれを使って好きなものをつくります。剣やライフルなど武器をつくる子が多いようです。五寸釘を七輪で熱して金槌で叩いて五寸釘ナイフをつくっている子もいました。プレイリーダーと呼ばれるスタッフが、子どもたちの遊びを見守り、さりげなく発展させます。彼らはプレイワークという知識と技術を身につけた遊び場づくりの専門家です。5年生の男の子が作った「要塞」は2階建て+地下室の本格仕様です。敷地のいちばん奥にひときわ大きな基地がありました。基地というより、要塞です(写真)。主は深くかぶった野球帽の下に眼鏡をかけた5年生の男の子。中を案内してもらいました。私が独身のころに住んでいたアパートよりもずっと広い空間です。2階建てで地下室まであります。いちばん高いところが見張り台で、その脇に、真っ赤な旗が誇らしげにはためいています。いちばん大きな「要塞」以外にもプレイリーダーや子どもたちが作った建造物がたくさんあります。ここを15人くらいの仲間で守っているそうです。見張り台の横には、敵の襲撃に備えて弓矢やパチンコや投擲用の石が用意されています。
門は西洋の城を思わせる跳ね橋式で、その脇には緑に塗装された木製の戦車が設置されています。車輪もついており、乗れるとの情報があります。この基地の建設にかかった時間は半年程度と、壁の補強作業もまだ続いています。完成はまだないとのことです。
設計図は存在しないものの、次々に見張り台の防御を強化する作業が行われています。そのような作業は、目的があるわけでもない、誰から言われるでもない、究極の遊びのように感じられます。まるで人生そのものです。
七輪で火をおこし、やかんで湯を沸かしてカップラーメンをすすります。彼は廃材置き場から材料を運んできて、トンカチで釘を打ちつけています。その音は、冒険遊び場全体のBGMになっています。彼の佇まいには「親方」と呼びたくなるような落ち着きと貫禄があります。
午前中の仕事を終えると彼は七輪コーナーに行き、火を起こし、ベコベコに凹んだやかんで湯を沸かし、カップラーメンをすすります。ただのカップラーメンですが、彼が食べていると非常にうまそうに見えます。
子どもたちが作った「要塞」の見張り台からの光景が見られ、それらは木をたくみに利用しています。彼が家路についたあとも、夕方の風にたなびく赤い旗が「俺はここにいる!」と宣言しています。
国分寺市プレイステーションから遠いところに住んでいる子どもたちにとって不平等にならないように、国分寺市内の10カ所の公園で、それぞれ週一回、冒険遊び場の会が出張の冒険遊び場を開催しています。これも市からの委託事業です。
一般市民にもプレイリーダー的な気持ちや視点をもってもらうために、年に2回は、市内全体でプレイリーダー講習会を開いています。
ある視点を持つ人が地域に広がると、地域全体の子どもを見る目も変化するというNPOの代表の言葉があります。町中の大人が子どもとの関わり方をプレイリーダーのような姿勢で身につけたら、子どもたちはあらゆる場面で遊び育つことができるようになります。子どもたちが日々の生活の中で得る体験とそこからの学びがどんどん豊かになっていくでしょう。『もくざいおきば』という看板は子どもたちの手書きで、冒険遊び場は子どもたちがつくっていくものです。2023年にこども基本法が施行され、現在、各自治体では放課後の居場所づくりが大きなテーマとなっています。しかし、居場所づくりとはただハコモノを用意するという意味ではありません。場所は少々古くてボロくとも、そこに居る大人たちがプレイリーダーのようなマインドセットを持っていたら、子どもたち自らが、さきほどの秘密基地のように、大人の想像を絶するほど居心地の良い場所をつくるのではないでしょうか。子どもたちの群れが自分たちのなわばりを再生していくはずです。ずいぶんと前から「ハードよりソフトにお金をかける時代」と言われていますが、子どもの居場所づくりも同じです。立派な設備や遊具を備えたハコモノを新たにつくるよりも大切なのは、プレイリーダーのような知識と技術を学んだ大人の頭数を増やすことだと思います。そのために予算をつけることこそ、本当の意味での子どもの居場所づくりにつながるのです。
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S.Yamada--JT