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循環器専門医の池谷敏郎氏が、入浴前の軽い運動で深部体温の変化を促し、睡眠の質を高める方法を解説した。
「快眠スイッチ」 の入れ方を、循環器専門医の池谷敏郎氏が血流・血圧の観点から解説する(構成 張替裕子) 。深部体温をコントロール 快眠のために重要なカギとなるのが「深部体温」です。普段私たちが体温計で計る一般的な「皮膚温」と違い、深部体温は脳や内臓など体の内部の温度で、皮膚温より0.5~1度ほど高く保たれています。
体内時計によってコントロールされていて1日のうちに約1度変化し、活動的な昼間は高く、休息する夜間は低くなるのが、健康的なバイオリズムです。総合内科専門医・循環器専門医の池谷敏郎氏は、血管や血圧の専門家として若さを保つための生活習慣を世間に発信してきた(本人提供) 眠気がくると脳からの命令で手足の血管が広がり、血液が末端まで流れ込みます。眠くなると「手足がポカポカする」とよく言われますが、これがその理由です。
手足で冷やされた血液が体内を巡ることで、脳や内臓の深部体温を下げます。この 深部体温が下がるタイミングで、脳は眠気を感じるのです。下がる速度が速いほど強い眠気を感じる と言われています。
深部体温をコントロールし、快眠を促すためには、一度深部体温を上げ、その後しっかり下げるのが効果的です。そのためにこれからの季節は、ぜひお風呂に入って深部体温を上げていただきたいと思います。就寝1~2時間前くらいまでに入浴して深部体温を上げ、その後下がってきたタイミングで眠りに就くようにすると、脳も体も休息状態になって質の良い睡眠を得られます 。
ただし、心臓など循環器系の病気を持っている方や高齢の方は急に体温を上げるのは危険なので、ゆっくりと上げるようにしてください。そのためには入浴前に準備体操をして、深部体温をある程度上げておく のもよいでしょう。準備体操にはぜひ、私が考案した 「ゾンビ体操」 を行ってみていただきたいと思います。
ゾンビ体操とは、食後の血圧と血糖値の上昇を抑えるために私が考案したもので、4、5分行うだけで十分間のウォーキングと同等の運動効果が得られる体操ですが、 入浴前に行えば深部体温上昇の効果を高めることができます 。まず背筋を伸ばして立ち、その場で軽く足踏み。その動きに合わせ、肩の力を抜いて腕をブラブラと揺らしましょう。
慣れてきたら徐々に足踏みを速め、“イヤイヤ”するように両肩を交互に前後に動かしましょう。「イヤイヤしながらその場でジョギングする」イメージです。1分間続けた後、30秒間その場でゆっくり足踏み。
入浴の快眠効果を高める「ゾンビ体操」 イラスト:三並あかね 寝返りも重要な運動 続いて就寝時のアドバイスを二つお話ししましょう。一つ目は 寝返りの打ちやすい枕とナイトウェアを選ぶ こと。人は一晩(8時間)に平均して10~30回ほど寝返りを打ちます。
これは生理学的にはとても大事な運動で、 長時間同じ姿勢で寝ていて圧迫された筋肉や血管、関節などをゆるめ、血流を改善する効果がある のです。また、寝返りによって 布団の中の空気を入れ替え、こもった熱を逃して深部体温を調節することで深い睡眠に入りやすくなります 。安眠のためには、仰向けで寝心地が良い枕より、寝返りが打ちやすい枕を選んでいただきたいです。
高さは4~5センチで平らなもの、幅はゴロゴロと左右に動ける広めのものを選び、頭が沈み込まず、回転しやすい適度な硬さが理想的です。イメージとしてはハーフサイズの厚めの座布団ぐらいといった感じですね。安眠のためには寝返りが打ちやすい枕が適している(画像はイメージです) ナイトウェアを巡って言うと、私はジムで着るような伸縮性が高く表面がツルツルとした生地のスポーツウェアを愛用しています。
綿のパジャマは伸縮性が乏しく体を動かしにくいため、寝返りの邪魔になることがあります。また、スポーツウェアは吸水性や速乾機能が高いので、睡眠中の体温調節にも適しています。
Y.Kato--JT