高市首相のスカートが着席時に短く見えた要因を分析
高市首相のスカートが着席時に短く見えた要因を分析。トランプ大統領との会談に選んだのは鮮やかなロイヤルブルーのスーツ姿でした。
ニューヨークで国連演説と各国首脳との会談に臨んだ 高市早苗 総理。トランプ大統領との会談に選んだのは鮮やかなロイヤルブルーのスーツ姿でした。筆者は、政治家やビジネスパーソンのイメージ戦略を仕事とし、政治家の服装や振る舞いを分析していますが、今回のスーツは初めて見るもので、ラペル(襟)には丸みがあり、袖口もやや広がっている。
色には強さがあるのに、ラインも生地も女性らしく柔らかい。高市総理がこれまで着用してきたブルー系のスーツとは趣が異なり、力強さの中にも親しみやすさがあります。強い色を用いながらシルエットには柔らかさがあるというコントラストが印象的な一着でした。
国連総会でのトランプ大統領との会談にブルーのスカートスーツをチョイスした高市総理。座ると膝頭が出る状態に ©時事通信社 座ると膝が完全に露出し、スカートが短く見える しかしトランプ大統領との会談では、高市総理の大きく目を開く表情や首を傾けて凝視する姿が「媚びている」と批判を受け、なかでも一際話題になったのがスカート丈でした。トランプ米大統領との会談時、高市総理が座ると膝が完全に露出し、国のトップのスカートとしてはかなり短く見えます。
しかし実は、立っている時は高市総理のスカート丈はそれほど気になりません。グテーレス国連事務総長らと並んで立った写真を見るとスカートの裾は膝頭付近で、決して短い丈ではなくオーソドックスな膝丈です。それなのに、座った途端にあれほど短く見えたのには高市総理の「座り方」が影響しています。
高市総理は両膝をきちんと閉じて上体をまっすぐに起こして座ることが多いですが、姿勢が崩れているわけではなく、むしろ端正な座り方と言えます。それでも、立っていたときには膝付近だった裾が、着席すると大きくずり上がります。実際、今回は着席時に脚の占める割合が大きく見えたのは事実です。
2 /3 ページ目 この記事を1ページ目から読む その1つの要因として考えられるのが椅子です。今回の椅子は高市総理の身体に対して座面に奥行きがあり、そこへ深く腰掛けることで臀部から大腿部にかけてスカートの生地が取られ、裾が上へ引き上げられます。さらに今回のスーツの生地は、比較的柔らかく身体に沿うものに見えます。
深く座っているからか、握手の姿勢も若干ぎこちないものに ©時事通信社 立っているときにはその柔らかさが優美なシルエットをつくる一方で、座ったときには身体の動きに沿って生地が動きやすく、スカートがずり上がって見えます。場合によってはスカートの内側まで視線が入りそうな形に もう1つ気になるのが、高市総理がカメラに対して脚を正面に向けていることです。高市総理は座った時、両膝は閉じているものの脚をほぼ正面に向けているため、上がったスカートと脚が真正面から見え、場合によってはスカートの内側まで視線が入りそうな形になっています。
スカートの丈も、両脚を正面で揃える座り方も、それ単体では問題がありません。しかし特にスカートの場合、椅子の高さや奥行き、腰掛ける深さ、脚の角度やカメラの位置によって与える印象は大きく変わります。本来ならトップの表情や会談そのものに向かうはずの視線が、服装の一部分に集中してしまうとすれば、もったいないことです。
今回であれば、もう少し浅めに腰掛け、膝頭が高くならないようにする。それだけでも大腿部に傾斜が生まれ、裾の見え方は変わったかもしれません。以前は「メイクが課題」と言われていた時期も ©文藝春秋 参考になるのが、英国王室の女性たちに見られる着席姿勢です。
例えば、キャサリン皇太子妃の着席姿勢として知られる「ダッチェス・スラント(Duchess Slant)」。膝と足首を揃えたまま、会談であれば上半身は相手の方向へ向けて、両脚を相手とは反対の方向に斜めに流す。こうすると、正面のカメラに対して脚に斜めのラインが生まれ、スカートやドレスを着ていても内側が見えにくくなります。
脚を斜めに流す姿勢は、ダイアナ元皇太子妃にも見られました。もう一つが「ケンブリッジ・クロス(Cambridge Cross)」です。こちらは膝を揃えたまま、足首のところで左右の脚を交差させるスタイルです。
どちらにも共通しているのは、膝を揃えながら、脚をカメラに対して真正面に置かないこと。スカート姿で正面から撮影された際にも、脚のラインをすっきりと整えやすくなります。3 /3 ページ目 この記事を1ページ目から読む 今回の高市総理のようなスカートスタイルなら、こうした「ダッチェス・スラント」や「ケンブリッジ・クロス」を取り入れてみることをお勧めします。
あるいは、服や椅子との相性によっては脚を組むという選択もあります。大切なのは、「女性はこう座るべき」ということではなく、その日の服装や椅子、相手との位置関係に合わせて、適切な所作を選択することです。3月の日米首脳会談でも高市総理はロイヤルブルーのタイトスカートのスーツを着用していて、スカートの丈は今回とほぼ同じに見えます。
ところが着席時にスカートがずり上がることなく、スカート丈が全く気になりません。椅子や座る深さ、生地、カメラに対する身体の角度によって正しい姿勢を選ぶ必要があるのです。3月の首脳会談では膝が隠れている 首相官邸公式Xより パンツスーツという選択肢もあるが… 世界の女性大統領・首相の服装を見れば、パンツスーツは珍しいものではなくなりました。
女性政治家にとってパンツスーツは、今では「ユニフォーム」と評されることもあるほど定着しました。その背景には、動きやすさや機能性に加え、男性政治家と同じスーツスタイルを選ぶことで、よりジェンダーレスな印象をつくる。その意味でも、パンツスーツは女性リーダーにとって合理的な選択肢となっています。
かといって、スカートスーツが「時代遅れ」というわけでもありません。今回の国連総会でも、トリニダード・トバゴのカムラ・パサード=ビセッサー首相をはじめ、タイトスカートを美しく着こなす女性リーダーの姿が見られました。またアフリカや中南米の女性首脳は、それぞれの文化的背景を映した衣装で国際会議に登場することも多く、高市総理にとっても和装は選択肢の1つかもしれません。
大切なのは、「どう見えるか」でも「どう見せるか」でもなく、何をどう伝えるかです。そのメッセージは、言葉だけで伝わるものではありません。服装、表情、姿勢、視線、声、身振り、相手との距離、そして空間。
そうした非言語の要素も、言葉と同時に相手へ伝わっています。非言語コミュニケーションもまた、戦略的コミュニケーションを構成する重要な要素なのです。あなたにはこちらもおすすめ!
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T.Kobayashi--JT