チャウヌ起用で脚本設定を変更 ナム・デジュン監督が明かす
韓国で興行収入ランキング初登場1位を記録した青春トラベル・エンターテインメント映画『ファーストライド』が、9月25日に日本公開された。
韓国で興行収入ランキング初登場1位を記録した青春トラベル・エンターテインメント映画『ファーストライド』が、9月25日に日本公開された。とある事情によって高校時代に叶えられなかった卒業旅行を、幼なじみ4人組が10年越しに実現させようとする中で起こるハプニング、そして友情の機微を描く。
メインキャストを飾ったのはカン・ハヌル、キム・ヨングァンと、800倍のオーディションで抜擢されたカン・ヨンソク、そしてチャウヌ(ASTRO)という4名だ。
メガホンを撮ったのは、これまでも韓国コメディ映画で手腕をふるってきたヒットメーカーのナム・デジュン監督。監督にメールインタビューすると、本作の見どころ、キャスティング秘話、撮影の裏話など、たっぷり語ってくれた。
まず、今作が映画主演デビューにして兵役前最後の作品になった、チャウヌのキャスティング理由から尋ねてみた。ボーイズグループ「ASTRO」のメンバーで、「顔の天才」と呼ばれるほどのビジュアルで知られる。
どうしても目立ってしまう彼の華やかさを、いかに映画作品の世界観に落とし込むのかーー。なかなか演出の手腕が試される起用ではないかと感じていた。しかし、監督の答えは明快だった。
「チャウヌさんは、誰もが認める完璧なルックスを持っています。守ってあげたくなるような美少年らしい雰囲気も、今回のヨンミンという役に完璧に合うと思いました」
「チャウヌさんと初めて顔合わせをした日、彼を見た瞬間、私は自然と笑顔になってしまったんですよ。『あぁ、この人は世界で一番面白い人なんだ』と感じて」
“世界で一番面白い人”――チャウヌを表す言葉としては、かなり意外ではないだろうか。だが、続く言葉を聞けば納得だ。
「顔だけでこんなに人を笑顔にさせられる俳優は特別だと思いました。そこで台本も、『顔を見るだけで笑ってしまうほど圧倒的なイケメン』という設定に書き換えたんです。おそらく、チャウヌさんだからこそ、観客を納得させられるキャラクターになっているはずです」
映画監督が、一人のキャストのために脚本を書き換えることがある。多くの場合、それはセリフの調整だったり、シーンの追加だったりする。だが、設定さえも書きかえさせる、そんな魅力がチャウヌにはあったのだという。
この作品にはもう一人、欠かせないキャストがいる。カン・ハヌルだ。ナム・デジュン監督の前作『ラブリセット 30日後、離婚します(以下、ラブリセット)』に続く2度目のタッグとなるが、今作の脚本を、最初から彼を主軸に想定して書いていたという。いわゆる「あて書き」だ。
「『ラブリセット』の制作を終えて、『ファーストライド』の脚本作業に入った時からカン・ハヌルさんを思い浮かべながら執筆していました。彼の演じたテジョンというキャラクターも、彼の演技のトーンを反映して完成させました。個人的に、カン・ハヌルさんは“笑わせる部分”と“泣かせる部分”のバランスを最もよく表現できる俳優だと思います。
そしてカン・ハヌルさんは素晴らしい人柄とユーモアのセンスを持った人なのです。一緒に仕事をした経験があるので、お互いのことをよくわかっていますし、信頼をベースにしたキャスティングでした」
前作でカン・ハヌルが演じた役と、今作のテジョンという役。監督は明確な演じ分けを求めていたという。
「二人とも高学歴で、善良な人物という共通点があります。しかし前作の役が気弱で感情的な人物だとすれば、今回のテジョンは大胆で論理的な人物。両者とも少し抜けているところはあるんですけど(笑)」
さらに監督は、撮影中にカン・ハヌルへこんな質問を投げかけたことも明かしている。
「もし実際に2つの映画の登場人物だったとしたら、(前作のテーマである)愛と(今作のテーマである)友情のどちらを選ぶのか、カン・ハヌルさんに聞いたこともあります。彼の答えは……秘密にしておきます」
カン・ハヌルの回答が気になるところだが、そこは「秘密」という監督。では今後、カン・ハヌルとの「3度目のタッグ」はあるのだろうか?
「ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、私が脚本を書いて演出するすべての作品をカン・ハヌルさんと一緒にやってもいいと思うくらいです。彼は素晴らしい俳優であり、可愛い弟のような存在です。観客の皆さんを笑わせられるのであれば、どんな物語でも構わないので、また一緒に作品を作りたいです」
カン・ハヌルと共に、再び観客を笑わせたいーー監督のコメディ愛を感じる答えだった。
Y.Kato--JT